2012年5月10日木曜日

メタルマックス2: リローデッド―脳内補完Replay・Part5―

俺は仲間と一緒に、エルニニョからマドの街の砂漠を中心にモンスターを狩りつづける日々が続いた。稼いだ金で装備を買い、それでモンスターを殺しまた装備を買った。
機銃で蜂の巣なったチビグラップラーから、血塗れのロンドンブーツを引剥している時に、後ろからモーゼルが俺に声をかけた。
「なぁコルト隊長!」
モーゼルは、俺をそう呼んでいた。
「そろそろ、仕事に取り掛かろうぜ」
そう言いながらモーゼルは、バギーから半身を乗り出し親指で自分の後ろを指した。親指の先には砂漠の向こうで、すごいスピードで移動する砂煙があった。賞金首のスナザメだ。
先週はまだ早いと判断したが、最近の俺達の戦いぶりは、―確かにそろそろ、かもしれない。
「先に、お前はそこのショットガンが使えるかどうか確かめな」
そう言いながら、バギーの窓をマウザーがドンと叩いた。モーゼルはさっさと車を降りた。
ロンドンブーツの血を拭いながら俺は言った。
「ここを片付けたら、エルニニョに戻ろう。そしたらマウザー姐さんは休んでくれ。俺とモーゼルは一晩休んで、代わりにガーランドをつれて仕事を片付ける」
モーゼルは嬉そうに、ショットガンを遥か向こうの砂煙に向けて弾が尽きるまで撃ち続け、マウザーに小突かれた。俺にはモーゼルが、シッポを振る犬に見えた。

俺たちは、ヌッカの地下酒場にガーランドを迎えいった。
バギーには戦車乗りのモーゼル、ソルジャーの俺とレスラーのガーランドは生身で戦う。
作戦はただ一つ、バギーの大砲を撃って撃って撃ちまくる。

今まで逃げ回っていた砂漠を移動する砂煙。それを追う。距離がつまると、砂煙は向きをコチラに向きを変えスピードを上げた。巨大な鉄の背ビレが砂漠を斬って進んでくるのが見える。
俺たちまで10m―砂の中から重戦車ほどもある巨大な鮫が空中に舞い上がり、放物線を描いて俺に突っ込んできた。
俺は雄叫びを上げながら、ショットガンがを撃った。少し遅れてガーランドがサメを覆い隠すほどの炎を噴いた。
炎をぶち破って、黒く焦げたスナザメが俺の目の前に現れた。炎でサメの位置がつかめなった俺は、避けるのが一瞬遅れた。スナザメの鋭い刀のような尾ビレが俺の左足を太ももからぶった斬った。痛みはなかった。
聞き慣れた機銃の銃声がして、スナザメの身体に幾つもの弾痕が出来る。俺のチギレ飛んだ足を見て、モーゼルが舞い上がっていた。
ガーランドは空中に舞い上がると竜巻のように回転しながら、スナザメにエルボーを連続して叩きこむ。スナザメの戦車の装甲のような殻が凹んで、スナザメが悲鳴をだした。
その悲鳴を聞いて、モーゼルが冷静さを取り戻し、バギーの主砲をぶっ放す。スナザメの横っ腹に穴が空きさっきよりもデカイ悲鳴をだした。
俺はその間に、斬り落とされた足の元に這って行き、回復ドリンクを飲んだ。直ぐに全身の細胞が活性化し傷が治っていく、足を傷口に近づけると細胞と細胞結合されていくのを感じる。
俺は立ち上がると同時に火炎瓶をスナザメに投げた。スナザメは再び炎につつまれた。