2012年5月16日水曜日

メタルマックス2: リローデッド―脳内補完Replay・Part17―

デビルアイランドというビルに賞金75000Gのブルフロッグがいるという情報は前から聞いていた。
問題はデビルアイランドがどこにあるかという情報がないということだった。
ある時、湖の北西を船で探索中、孤立した島にデカイビルの廃墟、しかも近づく船を片っ端から砲撃していた。
岸は絶壁になっているので、上陸はできないが洞窟がありそこがドックになっているようだった。俺達は砲撃
を避けながら、ドックに飛び込んだ。
中には警備用のロボットがいるだけで、ほとんど大した敵もいなかった。しかしそこら中の扉はロックされておりここがどんな施設なのかは分からなかった。
俺達は多少迷った程度で、最上階にまで辿り着いた。そこには手配ポスターで見たことのある奴がいた。巨大な熊みたいな体格だが、全身はヌメヌメした両生類みたいな皮膚で、緑と黄色の毒々しい模様をしていた、顔はヘルメットとガスマスクが皮膚と一体化した不気味な面をしてる。
やはりここがデビルアイランドで間違いはないようだ。やつはバイアスグラップラー四天王の一人ブルフロッグだ。
奴は俺達をみつけると嬉そうに近づいてきて、子供みたいな口調で言った。俺達を殺す、と。
それはコチラも同じ事だと返すと、身体からいきなり毒ガスを出した。始まりの合図だ。
メンバーは俺、ガーランド、レミントン、ポチ。白兵戦のおなじみのメンツだ。
奴は毒ガスにミサイルに体当たりと、デカイ図体とは裏腹に素早く攻撃をくりかえしてきた。
俺とガーランドがヨコヅナオーラを身にまとい一気に、二人で体当たりをかますと、奴は10メートルは後ろにぶっ飛ばされ壁に激突した。
奴はここでのフリを悟ったのか、ちょうどふっとばされた壁に設置してある転送装置に、ガキの学芸会でみるような感じの弱ったという動作で装置の中に入った。しかし俺が転送装置を銃撃する前に、転送のスイッチを押した。その動きは素早った。
俺は撃つのを、寸前で止めた。装置を見ると転送先はこのビル内のようだ。
まず間違いなくこの先で奴は、待ち構えているだろう。この世界の住人―モンスター、人間、賞金首、賞金稼ぎ何でも関わらず、ある共通する一つの思想がある。それは、何か問題が起きそれが手に余る程ドデカイ問題なら、それよりドデカイ大砲を使って解決する、という思想だ。この思想がこの世界を支配している。
転送装置の先で、奴は間違いなくドデカイ大砲を用意しているだろう。ならば俺達もドデカイ大砲を持ってきて、どっちがデカイのか決めようじゃないか。奴が戦車を持ち込める場所で待ち構えているなら、俺達も持ち込める場所にあるはずだ。俺達は一旦1回に置いた戦車の位置に戻ることにした。
ビル内は、奴が転送したと同時に警報が鳴り始めていた。そでやっと、グラップラーの兵士共が出てきた。俺達は兵士たちを排除しながら、下層階へ下っていった。その途中、突然立ちはだかる二体のロボット。
俺は素早く―ロケットパンチを発射した。こいつを喰らえば並のモンスターは、その衝撃力で3つか4つに引き裂かれるはめになる。硬いマシン系だろうが結果は同じだった。並であれば。
そいつは―1つを刀で防ぎ(あいつはいつ刀を抜いたんだ?)、1つを腹で受け止めた。少しばかり装甲が凹んだようだ。
その二体のロボットは、人間サイズの細いタイプの素早そうなタイプで、編笠タイプのメルメットが特徴的だった。
ロケットパンチを防いだ刀をそのまま振り上げると巨大な10m以上の炎を発し、そのまま薙ぎ払った。俺達は炎に包まれた。と思った時には、何かに身体を引き裂かれて、鋭い熱を感じた。
もう一体が炎を目くらましに、腕から丸鋸のように回転するビームを放っていた。
ポチもバーナーを放ち巨大な炎で敵を包んだが、奴らは平然としてた。レミントンも直ぐにレーザーを叩き込んだが、結果は同じだった。
ガーランドもモンスターのツノから作った鉄の棒でぶっ叩いたが、鋼鉄の編笠が凹んだ程度だった。
こいつは、賞金首クラスの相手だ。次を意識して力を残そうなど思っていたら、負ける。
あの糞野郎二重に罠を仕掛けてやがった。
ガーランドと越えをかけると、彼女は既にヨコヅナオーラの集中に入っていた。
レミントンとポチがは雄叫びを上げていた。俺はロケットパンチを連続で放った。
数分後には何とか、奴らをスクラップにすることは出来た。しかし俺達はかなりの体力を消耗した。レミントンのクスリがなければ、とっくの昔に炎で燃え尽きていただろう。これで賞金がでないのだから割に合わない。

俺達は傷だけはレミントンのクスリで直したが、クスリでは体力までは回復しない。逆にクスリで細胞を活性化させ傷を治した後は、特に疲労する。
俺達は素早く戦車まで移動し乗り込んだ。そしてブルフロッグを探すため、戦車の踵を返し廊下を曲がった所に、奴は待ち構えていた。やはり戦車で。

このビルが広いといっても、平原でお互い全力で並走しながら、撃ちあうような、いつもの戦いは出来ない。この廊下でお互い正面から、撃ち合うしかない。いつものように走り回って、弾を回避するような真似は出来ない。
戦力の多いコチラが有利だ。俺達はお互いにミサイルと砲弾を撃ちまくりはじめた。ブルフロッグの戦車の装甲は分厚かったが、それ以上に俺達の弾薬はたっぷりとあった。奴の戦車はスクラップになった。
奴は戦車から飛び出すとその巨体からミサイルを撒き散らしながら、むちゃくちゃに体当たりをしてきた。
凄まじい衝撃で、装甲タイルが吹き飛び、シャーシーが歪んだ。最初にガーランドが乗っていた装甲車―エクスペンダブルズが衝撃でひっくり返った。ガーランドは望むところだという感じで嬉そうにエクスペンダブルズから飛び出して、奴にかかっていった。

次に奴はガーランドを躱すと、俺のバス―A-TEAMに何回目かの体当たりを食らわせた。シャーシーが歪んだせいか、全ての武器の操作ができなくなった。俺もブチ割れたフロントガラスから、銃撃を奴に浴びせながら外に飛び出した。

レミントンが乗る戦車―レッドブルだけがなんとかもっていた。奴は素早く動き回っていたが、狭い廊下では避けようがなく砲弾を浴びていた。ガーランドはレミントンの指示を聞きながら、砲弾の合間を縫って奴に肉弾戦を仕掛けては、引くという、ヒット・アンド・アウェイで巧みにダメージを与えていった。俺はポチに指示を出しながら、砲撃とタイミングをあわせ奴にありったけの銃弾を叩き込んだ。
70000Gの賞金は伊達じゃないということを散々俺達に思い知らせた頃、奴の命も尽きた。