私の名前は山ノ下馳夫。年齢は生まれてから8ヶ月だが呪いのお陰で既に成人している。あと数ヶ月もすれば老衰で死ぬ。二年も生きられぬと聞いている。
朱点童子という鬼が私に呪いをかけた。念のいった事に呪いは一つだけではない。子が残せぬ呪いもかけられた。
呪いを解くには朱点童子を討ち果たすしかない。が、朱点童子という鬼は強い。私の腕では遠く敵わない。しかし腕を磨く時間はない。そして悲願を子に託す事もできない。
しかし私の父はきっと私に朱点童子打倒の悲願をかけたであろう。
父はこの呪いのことを知る前に朱点童子にだまし討ちにあったと聞く。父を殺したあと朱点童子は私を捕え2つの呪いをかけた。
八方塞がり。
しかし神々が私を哀れに思い手を貸してくれた。短命の呪いはどうにもできないが、子を残せぬ呪いは”人とは”という条件付きなのだ。神と交わった子なら残せる。神々は私と交わることを許した。
さらに神々は私に武具や屋敷や使用人まで与えた。
そして神々は言った、朱点童子を討ち滅ぼせと。それが私の―私の一族の宿命だと。